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【今日からできる!骨を強くする食生活】 「骨折しない体」は食事からつくる!

[2025.07.20]

こんにちは。
香里園とみた整形外科クリニック院長の冨田です。

連日の猛暑に、体調管理の難しさを感じる日々ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

みなさんは、「骨は年齢とともにもろくなるもの」と思っていませんか?
確かに、加齢やホルモンの変化によって骨密度は低下していきますが、実は日々の食生活によって骨を守る力を高めることができるのです。

今回は、骨粗鬆症を予防するための食事療法のポイントについてご紹介します。

骨を作る材料は「カルシウム」だけじゃない?

骨といえば「カルシウム」というイメージが強いですが、それだけでは丈夫な骨は作れません。実際には、以下のような栄養素がバランスよく必要になります。

  • カルシウム:骨の主成分。牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、青菜(小松菜・水菜など)に多く含まれます。ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
  • ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、骨への沈着を促すホルモンの働きをサポートします。さらに、血中のカルシウム濃度を一定に保つ役割もあり、肝臓と腎臓で活性型に変換されてはじめて機能します。日光を浴びることでも体内で合成されるため、1日15〜30分程度の軽い日光浴も意識してみましょう。鮭、サンマ、干ししいたけなどに多く含まれます。
  • ビタミンK:骨にカルシウムを沈着させる「オステオカルシン」というたんぱく質の働きを助けます。納豆は特に豊富で、毎日の食事に取り入れるのがおすすめです。ブロッコリーやほうれん草、キャベツなどにも含まれています。
  • たんぱく質:骨はカルシウムだけでなく、「コラーゲン」などのたんぱく質が土台となって構成されています。魚、肉、卵、大豆製品などをバランスよく取り入れることが大切です。

また、リンや塩分の過剰摂取はカルシウムの排泄を促進してしまうため、加工食品やスナック類などの取りすぎには注意が必要です。逆に、マグネシウムや亜鉛などのミネラルも骨形成に関わっており、海藻類やナッツ類、胚芽米などを適度に加えると、よりバランスの取れた食事になります。

なぜコンスタントな摂取が必要なのか?

ビタミンDは、食事やサプリメントなどで摂取されたあと、肝臓→腎臓を経て“活性型”に変わり、はじめて骨の代謝やカルシウム吸収に働きます。
この活性型ビタミンDは、体内で必要なときに合成されますが、

  • 高齢になると活性化する能力が低下
  • 日照不足や腎機能の低下でもビタミンD不足になりやすい

といった背景があります。

さらに、ビタミンDはホルモンに近い働きをするため、血中濃度の安定が重要です。極端な変動があると、カルシウム代謝にも悪影響を及ぼします。

自分の骨の状態を「知ること」も大切です

食事療法はとても重要ですが、「今の自分の骨密度がどれくらいなのか」を知っておくことも、骨粗鬆症予防には欠かせません。骨密度を測る方法はいくつかありますが、代表的なものとして次のような検査があります。

  • 超音波検査:踵(かかと)を機械に置くだけで手軽に測定できますが、その分測定結果にばらつきがあり、骨密度の正確な評価や骨折リスクの予測は難しく、あくまでも診断の補助的役割にとどまります。
  • MD:手軽に手の骨密度を測定できますが、転倒時に骨折しやすい腰椎や大腿骨の骨密度を評価することができません。そのため、骨折リスクの正確な判定という点では、DEXA法に比べて劣ります。
  • DEXA法(デキサ法):腰椎や大腿骨など骨折リスクの高い部位を高精度で測定できるため、国際的に「骨密度測定のゴールドスタンダード」と認められており、現在、医療現場で最も信頼されている骨密度検査法です。

当院の骨密度検査について

当院では、この信頼性の高いDEXA法による骨密度測定装置を導入しております。検査は短時間で痛みもなく、安心して受けていただけます。ご自身の骨の健康状態を正確に把握し、必要に応じた治療や生活指導を受けるために、ぜひご利用ください。

まとめ

骨粗鬆症は、「気づかないうちに進行する病気」です。しかし、日々の食生活を少し意識すること、そして定期的に骨の状態をチェックすることで、将来の骨折リスクを大きく減らすことができます。

毎日の食卓から、健康な骨づくりを始めてみませんか?
何かご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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